「わ〜! すご〜い! さすがSNSで話題なだけある! かわいい〜おしゃれ〜」
──二月。ついこの間までのお正月ムードから一新、神無町の街並みはすっかりバレンタイン一色に染まっている。
そして今日二人が訪れたホテルのレストランも、主に若い女性客で賑わっていた。ブラウンを基調としたシックな店内装飾と、華やかな見た目のデザートが並ぶ光景に皆瞳を輝かせている。
「来てよかったね」
明るい髪色に濃い色のカチューシャが映える可愛らしい少女が、隣に立つ長身の女性に笑いかけた。切れ長の瞳が印象的な彼女は、少女の無邪気な笑顔を見下ろして思わずその整った顔を引き攣らせる。
「ね! ヨルくん!」
「アンタなあ……」
彼女、もとい“彼”、杠葉ヨルは──現在の自分が置かれている状況に心底うんざりしていた。
「『ね!』じゃねーだろ、マジで何考えてんだ! こんなカッコさせやがって……」
彼とその兄弟たち五人が日本に滞在している原因であるこのカチューシャの少女。そして今、一刻も早くこの場から離れて家に帰りたい、とヨルが心の底から憂鬱に感じている原因を作ったのも──この少女なのであった。
「何、って……来るまでに何回も説明したでしょ? 期間限定のスイーツビュッフェが、今日だけ女性限定で半額だから──」
少女は自分が衣装を用意して、妥協を許すことなく仕上げた隣の男の姿を改めて上から下まで眺めた。腰まである長い黒髪のウィッグ、喉仏を隠すハイネックかつ肩幅を誤魔化せるパフスリーブのニット、膝上のフレアスカートにヒールは低めのロングブーツ。少女のカチューシャと彼のベレー帽以外は二人で全く同じ服装をしている。時間をかけて施したメイクも満足のいく仕上がりのようだ。うんうんと頷いてから、言いかけていた言葉を続けた。
「一緒に来てもらうには女装しかないでしょ」
「ちょっ、おい、アンタ声でけーよ!」
──そう、現在のヨルは女装姿なのである。
「だってここまで来といて今更何回同じ話するの? ヨルくんちゃんと似合ってるよ? お揃いコーデかわいくない? 入るとき男だってバレなかったし問題ないよ?」
「嬉しくねー……」
不本意な女装姿を似合ってると言われても喜べるはずがない。
そもそもヨルは、女装姿の自分が本当に他人から女性に見えているとは思えないでいた。男だとバレていないと宥められても、このホテルのスタッフが女装姿の男に対しても女性として接しているだけかもしれないだろう。見ず知らずの人間に女装趣味だと思われているとしたらそんな羞恥には耐えられない。かといって、女装姿の自分が女性にしか見えないと言われるのもそれはそれでヨルのプライドが傷付くのだ。他人からの目線がこんなにも気になるだなんて滅多にないことで、ヨルは既に疲れ果てていた。
しかしそんな彼に構わず、ご機嫌な少女はスマホのカメラをヨルに向けて写真を撮っている。
「やっぱりかわいい。トキシンに送ろ」
「絶対にやめろ!」
聞き捨てならない言葉が聞こえて、ヨルは小声で必死に訴えた。自分のこんな情けない姿を他の兄弟たち──反りが合わない三男には特に──絶対に見られる訳にはいかないのだ。
「つーか、アンタ一人で来ればよかったやん? なんでわざわざオレがこんな」
格好をしてまで付き合わなきゃならないんだ、と続けようとした言葉を少女が遮って言う。
「一人だと、全メニュー制覇する前にお腹いっぱいになったら困るでしょ!」
「ガチすぎんだろ……」
少女はこのデザートビュッフェを楽しむことに真剣なのだ。因みに朝食も昼食も抜いてこの場に居るのである。それにしても手段を選ばなすぎだろう、とヨルは正直引いていた。
「っていうかそもそも、あなた達が私を一人で出かけさせてくれないんじゃない」
「そりゃあ……トキシンとネィトがうるせーからな」
EROSIONのライブに来ていたところを無理やり連れ去られる形で彼らとの同居生活を開始した彼女。日本に留まっている間は今まで通り学校に通うことを許されているが、一人で外出することは許されず兄弟の誰かが必ず同行することになっている。ヨルもそれはわかっているのだが、どうにも最近の彼女は自分たち兄弟の日常に馴染みすぎていた。
あの家での自分の境遇に言及し一瞬表情を曇らせた彼女だが、今日の目的を思い出して再び明るい表情で声を弾ませた。
「でもヨルくん、絶対に来てよかったって思うはずだよ」
「あ?」
「だってこのビュッフェ、イチゴとチョコレートのフェアなの」
自分の服装と周りの目ばかり気になって店内の様子を見ていなかったヨルは、少女の言葉にハッとしてようやくそこに並べられているデザートに目を向けた。
「好きなだけチョコのデザート食べられるよ」
少女はヨルの手を取り両手でぎゅっと握ると、にっこり微笑んだ。
ヨルは、無類のチョコレート好きである。チョコレートの前ではプライドなど、無いようなものだった。
「……しょうがねーな、行くぞ」
いざ、戦場へ──
◇
──というのが、数時間前の出来事である。
「馬鹿なの?」
「ァア!?」
「いや、怒らないでよ……」
学校が休みでEROSIONとしての活動もない休日。俺はクレハと共にビャクヤの買い物に付き合わされて出かけていた。ネィトは休日にも関わらず学校で生徒会の仕事。そしてあの子の監視役は必然的にヨルだ。
ビャクヤのことをクレハに任せて先に一人帰宅すると、ヨルとあの子が家にいなかった。二人で出かけていたらしい。それは良いのだが──帰って来た二人が、全く同じ服装をしていたものだから流石に驚いた。
一瞬誰なのかわからなかったが、俺の姿を見て言葉を失っている顔を見たらすぐに気付いた。ヨルのあんな顔久しぶりに見たな。
そしてそんなヨルを連れて自室に戻り、ベッドに並んで座って何があったのかを聞き出して今に至る。
「あのさ……どうして、大人しく女装させられた上に、誘惑に負けてビュッフェを楽しんじゃってるの」
誕生日にみんなでふざけて贈ったフリルエプロンすら意地でも身に付けないのに、こんな本格的な女装をしているのが正直言って信じられなかった。チョコレートが食べられるなら何でもするのかこの男は。
「大人しくなんかしてねーよ! これはアイツが──」
『どうしても行きたいところがあるんだけど、ヨルくんついて来てくれないかな……?』
『あ? 別にかまわねーけど』
『ほんと? 一緒に来てくれる?』
『ああ』
『ほんとにほんと? 絶対?』
『な、なんだよ……そう言ってんだろ』
『ありがとう! 嬉しい!』
『ったく、相変わらず変なヤツだなアンタ……で? どこに行くって?』
『あのね、とりあえずこれに着替えてきてほしいの』
『なんだこれ──って、おい! アンタ何考えてんだ!?』
『一緒に来てくれるって言ったよね?』
『いや、言ったけどよ』
『絶対って言ったよね?』
『でもこれ』
『ヨルくん私に嘘ついたの……?』
──いや、チョコレートに釣られた訳じゃないのかよ。
「押しに弱いのも考えものだね」
「……うるせーよ」
俺の言葉に、ヨルは気まずそうに目線を逸らして呟いた。多少は自覚があるのだろう。だがしかし。
「ヨルは、あの子が必死にお願いすれば、こんな格好もしてくれちゃうんだ?」
どうにも、この兄はチョロすぎる。
ヨルのこの性格を利用して自分の目的を果たそうとするなんて、あの子も随分と狡猾になったものだ。
──とは言っても、お人好しでちょっと抜けてる彼女のことだから、チョコレート好きのヨルをデザートビュッフェに連れて行く為に必死で考えた結果がこれだったのかもしれないが。
「ハァ? いや、んなことは……」
「スカートもこんなに短くて脚がまる見え……あ、これ素足じゃないんだね。えーと、ストッキングってやつ?」
ミニスカートから覗く白く長い脚に触れる。いつもと違う触り心地が面白くて撫で続けてしまう。ヨルは擽ったいのか、先程まで普段通りの大股開きだった脚を閉じて、膝をすり合わせている。
「……っおい、変な触り方すんな」
「ふふ、ヨルの太ももなのに冷たくない」
「やめろって」
慣れない感触を楽しんでいたが、ぺし、と手を払い除けられる。仕方がないので一先ず脚はやめて、化粧を施されていつもとは印象の違う彼の顔を観察する。
「へえ、化粧するとこうなるんだ。確かに学園祭の時よりちゃんと女の子っぽいかも」
長いまつ毛はくるんとカールし、まぶたはキラキラしている。唇は普段よりピンク色で、つやつやとしていて美味しそう。ドレスを着せられていただけのお姫様姿より、よっぽど艶やかだ。心なしか甘い匂いがするような気がして、さらに顔を寄せた。
「おい、ちけぇよバカ」
すると今度は、腰の位置まである長い髪が気になって指を通す。思ったよりさらさらしている。本物みたい。
「聞いてんのか? クソ、何が楽しいんだか──うおっ!?」
髪を指に絡ませたまま、体重をかけてヨルの体を倒す。そして目の前の首筋に唇を寄せて、そのまま首筋に舌を這わせた。
「ひぁ……っ!? おいっ、舐めんな!」
声が出てしまったのが恥ずかしいのか、片手で口を押さえながらこちらを睨んできた。口元が隠れていてもその顔が赤いのがわかる。そんな反応をされても興奮するだけなのになあ。
「今日はこのまましよっか。女の子のままで、ね?」
せっかくこんな面白いことになっているのだから、楽しまなくては損だろう。固くなり始めたものを太腿に押し付けながら提案すると、ヨルはギョッとした顔をした。
「はぁ!? ヤるわけねーだろ、着替えるから退け!」
そう言って俺の下で身を捩る。はしたなくも脚を大きく開いて俺の腰を蹴り付けてくるが、何を今更抵抗しているのだろうか。本気で退かそうと思えば出来ないことはない筈なのに、大人しく俺に押し倒されておきながら。
「それはもったいなくない? せっかくかわいい格好してるんだからさ」
「かっ……!? アンタさっきから馬鹿にしてんだろ!」
褒めているのに何が気に入らないんだかぎゃあぎゃあ騒いでいる。無視して裾から手を入れて冷たい肌に触れた。
「あっ! やめ、おいっ! 手入れんな!」
やけに慌てた様子で服の中の手を追い出そうとしているが、もう遅い。肌を辿って徐々に上の方に手を伸ばすと、普段ならばそこにはない布の感触があった。男の体に本来あるはずのない膨らみ──まさかと思い、ヨルの着ているニットを胸の上まで勢いよく捲り上げる。
「……はは、なるほどね?」
ヨルの平らな胸が、フリルをふんだんにあしらったピンク色の女性用下着に包まれていた。
「だから、やめろっつったのに……」
抵抗を諦めたヨルは両腕で顔を隠し、らしくもないか細い声を出していた。胸部のタトゥーに指でなぞるように触れると、隠していた顔を僅かに覗かせてこちらを睨む。
「ブラジャーしてるの、見られたくなかったんだ?」
「当たり前だろーが! こんなだせーカッコ……!」
ダサいっていうか、めちゃくちゃエロいけど……。俺って実の兄のこんな姿でも興奮できるんだな〜って、新たな発見ができてしまった。
「あ、中になんか入ってる」
ブラジャーと胸の間に入っていた詰め物を取り出してその辺に置いておく。なるほど、これで胸があるように見せていたのか。
大きな隙間が出来て意味をなさなくなったそれをずらすと、顔を出した慎ましやかな突起をつつく。
「んっ! そこ、やめろ……っ!」
「どうして? 乳首好きでしょ?」
人差し指と親指で摘んだり指の腹で優しく擦ったりしていると、健気に勃ち上がってこりこりと固くなる。そのまま刺激を与え続けていると、ヨルの声に甘い響きが混じり始めた。
「すきじゃ、ね、あっ♡ ぁあ……っ♡」
「ふふ、いやらしいね……ブラジャーまでして、乳首弄られて感じちゃってさあ……」
耳元で囁くと、組み敷いている体がビクッと震える。少し気分が良くなって、片方の乳首を指で弄りながらもう片方を舐めてあげた。
「ひっ♡ ぁ、ダメだ、って……んっ♡ 言ってん、だろ……っ!」
「ダメ? こんなに敏感な乳首して何言ってるの?」
「……っ! だれのっ、せいだと……っ!」
赤く染まった顔で詰められるが──そういうの、俺のこと煽るだけってわかって言ってるのかな? 弟に乳首開発されて感じまくってるなんて恥ずかしくてしょうがないんだろうと思うと、可笑しくて堪らなくなる。
「ふふ、そうだね♡ 俺にたくさん触られて、すぐ感じちゃういやらしい体になったんだよね♡」
ヨルが正気の時に言ったら怒られそうな言葉を敢えて選ぶ。考える隙を与えず固く尖った突起を口に含んで強く吸った。
「ぁあ゛っ♡ 」
「あれ? ここどうしたの? 何か膨らんでるね……♡」
ヨルの脚の間に陣取っている俺の右膝の先に、ついさっきまではなかった膨らみがあることに気付いた。乳首を愛撫する手は止めず、右膝でぐりぐりと刺激する。
「あっ♡ あっ♡ やめ、ぁ……っ♡」
乳首しか触ってなかったのに、もう快楽と羞恥でぐずぐずになっているいやらしい体。今のヨルは女の子なのに、股間を固く大きくさせてスカートを持ち上げている。
「あはっ♡ 濡れすぎ、スカートにまで染みてきてるよ」
「ぅ、あっ……♡ しね……っ!」
えっちな汁でこれ以上汚れてしまわないようにふんわりと広がるスカートを捲ると、想像していた通りの光景が現れて思わず笑ってしまった。
「アッハハ……そうだよねえ? ブラジャーまでしてるんだからそりゃ下も女物だよね……♡」
ブラジャーと同じくピンクのフリルが可愛らしい下着にヨルのものが包まれている。布面積の小さい下着は、先走りで色が濃く変わっていた。あまりに淫靡な様相に眩暈がする。布地を押し上げて窮屈そうにしているそれを下着ごと握って扱くと、ぐちゅぐちゅと卑猥な音が響く。
「ふ、あっ♡ 見んな……っ! ぁあっ、んっ……♡」
「はぁ? 無茶言わないでよ、こんなエロいことになってるのに」
興奮しすぎてイライラする。でも、ちょっと触っただけでこんなに蕩けてしまうヨルが悪いと思う。
「ストッキングって触り心地いいね。ごめん、ちょっとこのまま……」
とろとろと溢している先走りを竿に塗りつけて、そのままさらに陰囊から肛門の辺りまでストッキングごとぬるぬるにしていく。
「んぁっ♡ へ、なに……」
指先で布越しに秘部をつつくと、物欲しそうにひくひくとしているのがわかる。早く挿れてあげたいのは山々だが、少しの間お預けだ。
ヨルの痴態に煽られてすっかり勃ち上がった陰茎を取り出し、彼の太ももを閉じさせて膝の上で抱きかかえる。そうして出来た小さい隙間に、勢いよく挿入した。
「ひぁああっ!?♡」
先走りで滑りが良くなったそこに擦り付けながら激しくピストンする。
「はぁっ……♡ 気持ちいい、ねっ♡ ヨルっ♡」
「やっ……つよ、いぃっ♡ あ゛っ♡ ぁあっ♡」
ごりごりと性器同士が擦れて、ヨルが甘く掠れた声で喘ぐ。肌を打つ音とお互いの先走りでぐちゅぐちゅと水音が響き、体勢も相まってまるで挿入しているみたいだ。服の中でブラジャーをずらされミニスカートもすっかり捲れ上がった状態ではあるものの、ヨルはあの子に着せられた女物の衣装を一枚も脱いではいないのに。
「……はは、ほんとに女の子みたいだね?」
「あっ♡ ぁんっ♡ いや、だ……っ♡ 」
俺の言葉にいやいやと首を振る。そんな風に否定したって、女の子の格好をして俺の下で可愛く啼いていては説得力がない。
「はっ……あ゛っ♡ や、ぁ♡ でる……っ!」
ヨルの太腿にきゅっと力が入るのがわかった。脚を抱え直し、彼の体を折り畳むようにして上から突くような体勢になる。
「イきそう? んっ……♡ 俺も、出すよ……っ♡」
「ん゛っ♡ ぁああっ♡」
同時に絶頂を迎え、二人分の荒い息遣いだけが部屋に響いている。
改めて、自分が組み敷いている相手を見る。顔を背けていて表情も見えないし、髪型も服装も知らない女の子みたいで不思議だった。だが、全身のタトゥーや俺が開発した敏感な体、そして壁が防音じゃなきゃ家中に聞こえてそうな大きい喘ぎ声も──全部この男にしか無いものだ。そう考えたら、少し安心した。
「……あ〜あ。ごめん、服汚れちゃったね♡」
気が付けば、あの子とお揃いで用意された服は俺とヨルがお互いに出したものでどろどろに汚れてしまっていた。
「ぁ、はぁっ……♡ ん゛んっ! この、F××in’野郎が……っ!」
ヨルが甘い吐息を漏らすが、すぐ我に帰って悪態をついた。俺のものを挟んでいた太腿を解放すると、自由になった脚で俺の顔面を狙ってくる。しかし絶頂の余韻が抜けていないのか震えていてキレがない。勿論避けて、再び捕まえた。
「……もういいだろ、さっさと退け!」
「何言ってるの? これで終わりな訳ないだろ」
出したばかりなのにまた硬くなってきたものを、下着とストッキング越しのそこに充てがった。挿れるみたいに、ぐっと押し付ける。濡れてるせいで、そのまま薄っぺらい生地ごと挿入ってしまいそうだ。
「ヨルだって早くここに挿れてほしいでしょ?」
そう言うと、期待に揺れる瞳と視線が合う。快感に弱い彼の体が、前の刺激でイっただけでは満足できないことを俺は知っている。
「ね?」
期待には、応えてあげないと。
その為にはびちゃびちゃに濡れて白い肌に張りついているものが邪魔だ。用意したあの子には悪いけれど、どうせもう使わないんだしいいよね?
心の中でそう言い訳して、俺はストッキングを思いっきり破いた。
◇◇◇
「あれ、トキシン。ヨルくんもういいの?」
「……お前、どういうつもりなの」
「バレンタインのプレゼントだよ。ヨルくんにはチョコのデザート食べ放題。トキシンにはかわいく飾ったヨルくん」
「別に嬉しくないんだけど……」
「でもかわいかったでしょ? 実はね、ナンパされたんだよ。『お姉さん綺麗ですね〜モデルさんですか?』って」
「は? それ、聞いてないんだけど」
「ヨルくん、目線で人殺せそうなくらい睨んでたから声かけてきた人もすぐ離れていったけどね」
「へえ、随分と物好きな人もいるんだね」
「……トキシンが言うことじゃないと思うけど」